勝手に他人の車にGPSつけたら犯罪じゃないの？

探偵をやっていると言うとそんなことを聞かれることが多々あります。

探偵＝GPS

そんなイメージを持っている方が多いのでしょうか？

正直、弊所はGPSでの調査はほぼ行いません。（特定の条件であれば使用もしますが）
リスクが高すぎるからです。

どんなに巧妙に隠して取り付けたとしても、GPSを使用する間は調査対象の方しか触ることができなくなりますし。
車のトラブルなどで整備に入れられた場合は見つかる可能性も高いでしょう。

違法かどうかは状況にもよるでしょうが、なによりGPSが見つかった瞬間から浮気を疑われているということを確信してしまい、今後の調査に響いてしまいます。

そんなリスクを冒さずとも、ちゃんとした尾行技術があればGPSを探偵が多用することはないはずなんですよね。
そりゃGPS着けてれば調査は楽でしょうが、もはや探偵が高額な費用を取ってやる調査ではないですよね？

この記事では現役の探偵がGPSの問題性について詳しく書いていきます。

GPS調査の違法性について

子どもの見守りの為。

友達や恋人との位置情報の共有の為。

小型の発信器からスマホのアプリまで、世の中には多種多様のGPSが存在します。

上記のような問題のない使用方法だけであればいいのですが、皆さんもご存じのようにGPSは個人情報の塊です。
現在地も分かりますし、どこに移動してどのくらい滞在したかというような情報も分かります。

本人がGPSの存在を知った上でなら問題ありませんが、知らない状態で勝手につけられていたら？

考えるだけでぞっとしますよね。

ストーカーやトラブル相手、または探偵など。
あなたの個人情報を手に入れようとする人は一定数います。

では勝手にGPSをあなたの持ち物につけることは違法ではないのでしょうか？

民事・刑事の両方の観点から考えてみましょう。

GPSの違法性｜民事の場合

《プライバシー権の侵害》

個人情報や私生活について知られたくないことをみだりに他者に知られたり、公開されたりすることです。
位置情報単体では個人の特定まではできないので違法性は低いと思いますが、内容によっては個人の特定もされてしまいますし、行動履歴はやましいことがなくても公開されると気持ち悪いですよね。

この記事を書いたつい最近にもこんなニュースがありました。

「不倫」探偵調査で車に無断でＧＰＳ設置は「違法」…旭川地裁、業者に賠償命じる判決 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

プライバシーの侵害で探偵がGPSの使用することに賠償請求が出たのは、自分が知る限りでは初めてではないかと思います。
探偵の皆様も冷や汗をかいた方も多いのではないでしょうか？

GPSの違法性｜刑事の場合

刑事罰の場合は色々な可能性があります。

🔲器物損壊罪

🔲住居侵入罪

🔲ストーカー規制法

🔲迷惑防止条例

色々ありますね。
こちらもつい最近ニュースになっていました。

尾行に使用か　探偵の男が対象者の車に無許可でＧＰＳ取り付け　大阪府警が迷惑防止条例違反容疑で逮捕　承諾なく位置情報を複数回取得（ABCニュース） – Yahoo!ニュース

この記事を読むと、そもそも尾行が上手くは無かったんでしょうね。
尾行がもろバレして、車の底を探ってみたらGPSがついていたとのことなので。

GPSはともかく、高い報酬貰ってるんだからすぐバレる尾行はしちゃいけません。
バレそうなら限りなくリスクを低くするためにも、車両増やすとか後日に変更するとか依頼者さんと相談しないと・・。

まとめ

いかがでしょうか？
探偵は一般の方よりもGPSの機器に触れることが多い職業です。

だから分かります。

限りなくバレる可能性の低いGPSはあっても、絶対にバレないものはありません。
浮気調査を依頼するのであれば、GPS頼みで楽する探偵よりも、汗水たらしてしっかりと尾行してくれる信頼できる探偵さんに依頼しましょうね！